この記事でわかること
- 良質な睡眠がダイエットに良い理由
- 良質な睡眠をとるための5つのポイント
ダイエットを成功させるためには「良質な睡眠」が大切だって知っていましたか?
食事制限や運動を頑張っているのに、なかなか体重が減らないと悩んでいる方の多くは「睡眠の質向上」を見落としています。
今回の記事でダイエットと睡眠の関係性を学んでダイエットを成功させましょう。
睡眠で分泌される痩せホルモン|レプチンとグレリンの働きとは

良質な睡眠がダイエットに欠かせないと言われる理由として「レプチン」と呼ばれるホルモンの分泌が挙げられます。
あまり聞き馴染みのないレプチンというホルモンですが、ダイエット中に嬉しい「食欲抑制」の働きを持っています。
レプチンの分泌は睡眠の質が良ければ良いほど促されると言われています。
一方、睡眠不足になると「グレリン」と呼ばれるホルモンの分泌が促進されます。
グレリンは、レプチンとは逆に「食欲を増進させる働き」があるダイエット中には全く必要のないホルモンです。
夜更かしなどで睡眠時間が短かった翌日に、いつもよりお腹が空く、食欲が増して暴飲暴食が止まらないなどの経験はありませんか?
その多くはグレリンが原因と言われています。
毎日の睡眠の質を向上させるだけで自然と食べ過ぎを防げます。
睡眠中の成長ホルモンでアンチエイジング|美肌効果とダイエットの関係

「成長ホルモン」というと、子どもしか分泌されないと考えている方も意外と多くいます。
実は、成長ホルモンは大人になっても分泌されています。
成長ホルモンは、子どもが大人になる、成長するためだけではなく、「美容」や「健康」にも非常に役に立つホルモンだったりします。
成長ホルモンは、細胞の修復・再生に欠かす事が出来ないホルモンで、お肌や髪のターンオーバーを促してくれるので「アンチエイジング効果」も一緒に得られます。
睡眠不足が太る理由|血糖値上昇と脂肪蓄積のメカニズム

睡眠の質により分泌されるホルモンが異なります。
さらに「睡眠不足は健康に悪影響が生じる」などの大きなデメリットも生じます。
睡眠不足は、夜間に起きている時間が長くなり、食事の頻度・量も増えてしまう傾向があります。
さらに、夜間の食事は「インスリンに対する対抗力が強くなる」という特徴があると言われています。
遅い時間に炭水化物を摂取すると、糖分の分解が普段よりも遅く血糖値が上がり、血糖値の上昇は脂肪の蓄積に繋がるため、太ってしまいます。
太ってしまうだけであれば痩せれれば問題ありませんが、生活習慣病のリスクまで上昇したりと、様々な悪影響が生じます。
ダイエット・美容目的だけではなく、健康面も考慮してできるだけ良質な睡眠をとるように心掛けましょう。
睡眠時間は何時間がダイエットに最適?理想の時間を科学的に解説

ダイエット成功のカギとなる理想的な睡眠時間をご存知ですか?
アメリカの研究では、睡眠時間によって肥満リスクが最大73%も変わることが判明しています。
食事制限や運動だけでなく、適切な睡眠時間を確保することで、より効果的にダイエットを成功させることができます。
科学的根拠に基づく理想的な睡眠時間は7~8時間
海外の複数の研究によると、ダイエットに最も効果的な睡眠時間は7~8時間であることが証明されています。
厚生労働省の睡眠ガイド2023でも推奨されている7~8時間の睡眠により、食欲抑制ホルモン「レプチン」の分泌が最適化されます。
この時間帯で睡眠を取る人の肥満率は22%と最も低く、睡眠時間が6時間未満の人(肥満率33.3%)や9時間以上の人(肥満率26.3%)と比較して明らかに低い数値を示しています。
7~8時間の睡眠により、食欲抑制ホルモン「レプチン」の分泌が最適化され、食欲増進ホルモン「グレリン」の過剰分泌が抑制されるためです。
また、この時間帯では成長ホルモンの分泌も活発になり、基礎代謝の向上と脂肪燃焼効果が期待できます。
睡眠時間が6時間未満だと肥満リスクが73%上昇
睡眠時間が6時間未満の場合、7~8時間睡眠の人と比べて肥満になるリスクが73%も高くなることが研究で明らかになっています。
短時間睡眠により、食欲抑制ホルモン「レプチン」の分泌量が約15%減少し、逆に食欲増進ホルモン「グレリン」が1.3~1.5倍に増加します。
この結果、普段より食欲が増し、特に高カロリーな炭水化物を欲しやすくなってしまいます。
さらに、睡眠不足により成長ホルモンの分泌が約3分の1に減少し、一晩で消費されるエネルギーが約300kcalから100kcalまで低下。
1ヶ月間で計算すると、約6000kcal(脂肪約1kg分)の消費エネルギーを損失することになります。
睡眠時間9時間以上でも肥満リスクが高まる理由
意外なことに、睡眠時間が9時間以上の長時間睡眠も肥満リスクを26.3%まで押し上げることが研究で判明しています。
長すぎる睡眠は身体活動量の低下を招き、筋肉量の減少と基礎代謝の低下につながります。
また、睡眠時間が長くなると日中の活動時間が短くなり、エネルギー消費の機会が減少してしまいます。
さらに、過度な睡眠は体内リズムの乱れを引き起こし、ホルモンバランスが崩れる原因となります。
特に夜遅くまで寝ていると、朝食を抜いたり食事のタイミングがずれたりして、代謝機能に悪影響を与える可能性があります。
ダイエット効果を最大限に引き出すためには、適度な睡眠時間を保つことが重要です。
質の高い7~8時間睡眠で1ヶ月1kg減量も可能
質の高い7~8時間睡眠を維持することで、1ヶ月間で約1kgの体重減少効果が期待できると専門医は指摘しています。
良質な睡眠により成長ホルモンが最適に分泌されると、一晩で約300kcalを消費できます。
これは1ヶ月間で9000kcal(脂肪約1.3kg分)の消費に相当し、食事制限や運動と組み合わせることで効果的なダイエットが可能になります。
また、適切な睡眠時間により食欲コントロールホルモンが正常に機能し、自然と食べ過ぎを防ぐことができます。
ただし、ただ長時間寝るだけでなく、寝始めの3時間を深く眠ること、22時~2時のゴールデンタイムに睡眠を取ることが重要です。
睡眠の質を向上させることで、ダイエット効果を最大化できるのです。
良質な睡眠でダイエット成功|今すぐできる5つの改善方法

ダイエットを成功させるには良質な睡眠が必要!と言われても「どうすれば良いか分からない!」という方がほとんどだですよね。
この段落では誰でも簡単にできる良質な睡眠をとるための5つのポイントを伝授!
普段から寝付きがあまり良くない方は、ぜひ試してみてください。
寝る直前に食事や入浴をしない
寝る直前に食事や入浴をする習慣がある方が意外と多くいます。
残念ながら、就寝前に食事や入浴をしてしまうと睡眠の質が下がってしまいます。
寝るときに胃の中に晩ごはんが残っていると、睡眠よりも消化が優先されるためになかなか「ノンレム睡眠」に入ることができなくなります。
さらに、晩ごはんを消化する前に眠ってしまうと、胃の中に残った物は脂肪に変わってしまいます。
胃の中にあるものを完全に消化するには「最低でも3時間はかかる」と言われているため、寝る3時間前までには食事を済ませておくのがおすすめです。
また、「消化に良いメニュー」を選ぶことも睡眠の質の向上に繋がります。
一方、入浴は「寝る2時間前までに済ませる」のが良いと言われています。
湯船にしっかりと浸るだけでリラックス効果が得られるため、シャワーよりもお風呂に浸かる方が効果的です。
ですが、就寝直前に入浴してしまうと、寝付きが悪くなる点に注意しましょう。
寝る前にストレッチを行う
「寝る前のストレッチ」も睡眠の質を上げるのに効果的です。
かなりメジャーな方法なので、すでに実践しているという人も多いのではないでしょうか?
ストレッチは疲れている筋肉の緊張をほぐしたりリラックス効果が得られます。
さらに、ストレッチには体内の血液の循環を向上させる効果もあり、深い眠りにつきやすくなる働きにも期待できます。
お風呂上がりから寝るまでの空いた時間にストレッチを行う習慣をつけていきましょう。
寝る前のカフェイン・アルコールはNG
毎晩の晩酌やリラックスタイムのコーヒー・紅茶を楽しみにしている方も多いですよね。
カフェインには副交感神経の働きを鈍くし、眠気を吹き飛ばす働きがあります。
また、人間の体はアルコールを分解する際に「アセトアルデヒド」と呼ばれる成分を作り出します。
カフェインと同様に副交感神経の働きを鈍くする働きがあるため、深い眠りにつきにくくなります。
睡眠の質を向上させたい場合は、夕方以降のカフェイン・アルコールの摂取は控えましょう。
寝る前のスマホ・パソコンもNG
最近は、スマホやパソコンが原因で寝付きが悪くなる、睡眠の質が下がっている方が急増中です。
スマホやパソコンなどの電子機器の画面からは「ブルーライト」が放たれています。
ブルーライトは太陽光の性質に近く、寝る前に浴びてしまうと脳が覚醒してしまい寝れなくなってしまいます。
寝る準備が終わった後にスマホやパソコンを触らないようにするだけで、寝付きが良くなるケースも珍しくありません。
寝るためのルーティンを作る
「眠るためのルーティン」を作る事で自然と寝付きが良くなる方も多くいます。
上記で話題に挙がった入浴やストレッチを寝る前の習慣にしてしまうのも効果的です。
それ以外にも、寝るための音楽を用意する、日記を書いてから寝るようにするなど、様々な方法が存在します。
普段寝付きが悪くて困っている方は、自分に合った寝る前のルーティンを作ることで自然と寝るためのスイッチをオンにしましょう。
ぜひ、自分に合う就寝用のルーティンを探してみてください。
睡眠の質を意識ダイエットの体験談
最後に睡眠の質を向上させてダイエットにチャレンジした方のリアルな感想を見ていきましょう。
これから、ダイエット目的で睡眠の質を上げてみようかなと考えている方は、ぜひチェックしてみてください。
体験談1:20代・女性・IT企業勤務
深夜残業が当たり前で、いつも睡眠時間は4時間程度でした。ダイエットしても全然痩せなくて…。でも睡眠時間を7時間に変えただけで、3ヶ月で5kg減量できたんです!夜中の間食もなくなったし、朝の目覚めも良くなって仕事の効率もアップ。睡眠って本当に大切だったんですね。
体験談2:40代・女性・専業主婦
子育てでバタバタして、いつもスマホを見ながら夜更かししてました。体重は年々増えるばかりで、どうしようかと思ってたんです。22時にはスマホを置いて、湯船にゆっくり浸かる習慣を始めたら、自然と食欲が落ち着いて6ヶ月で7kg痩せました。主人にも「最近きれいになったね」って言われて嬉しいです。
体験談3:30代・男性・営業職
睡眠ダイエットって聞いて、とりあえず長時間寝ればいいと思って毎日10時間寝てました。でも全然痩せないし、逆に体がだるくなって昼間の活動量も減っちゃって。結局2kg太りました。ただ長く寝るだけじゃダメなんですね。質も大事だし、適度な運動も必要だったみたいです。
筆者感想
体験談からも分かるように、睡眠ダイエットの成功には「質の高い睡眠」が何より重要です。
IT企業にお勤めの28歳女性のように、睡眠時間を4時間から7時間に変更するだけで劇的な変化が見られるケースは決して珍しくありません。また、42歳の専業主婦の方の事例では、スマホを控えて入浴習慣を取り入れるという生活改善が功を奏しています。
一方、35歳男性の失敗例は非常に教訓的です。「長時間寝れば痩せる」という誤解により、かえって体調を崩してしまったケースです。
睡眠ダイエットは単純に睡眠時間を延ばすだけでは効果がなく、7~8時間の適切な時間と、深い眠りを得るための環境づくりが不可欠です。
成功された方々は皆、生活習慣全体を見直し、睡眠の「質」に着目している点が共通しています。
睡眠は決して軽視できないダイエットの重要な要素なのです。
まとめ
実は、睡眠とダイエットには深い関係がありました。
睡眠の質の向上がダイエットの成功率に直結します。
普段寝付きが悪い、寝たのになかなか疲れが取れない方は、今回紹介した睡眠の質を上げるポイントを試してみてください。
睡眠 ダイエットに関するよくある質問
- Q睡眠時間は何時間取ればダイエット効果がありますか?
- A
ダイエット効果を得るには7-8時間の良質な睡眠が理想的です。睡眠時間が6時間以下になると食欲抑制ホルモン「レプチン」の分泌が減少し、食欲増進ホルモン「グレリン」が増加するため、太りやすくなります。
- Q寝る前に食事をするとなぜ太るのですか?
- A
寝る前の食事は消化に3時間以上かかるため、睡眠の質が低下します。また、夜間は「インスリン抵抗性」が高まり血糖値が上昇しやすく、摂取した糖分が脂肪として蓄積されやすくなるためです。就寝3時間前までに食事を済ませましょう。
- Q睡眠不足だとどれくらい食欲が増すのですか?
- A
睡眠不足により分泌される「グレリン」は通常の1.3-1.5倍まで増加し、食欲抑制ホルモン「レプチン」は約15%減少します。これにより普段より食欲が増し、特に高カロリーな食べ物を欲しやすくなります。
- Q寝る前のスマホはどれくらい睡眠に影響しますか?
- A
スマホから出るブルーライトは太陽光に近い性質を持ち、脳を覚醒させて睡眠ホルモン「メラトニン」の分泌を抑制します。就寝1-2時間前からスマホ使用を控えることで、自然な眠気を促し睡眠の質が向上します。
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