この記事でわかること
- 低GI食品が持つ働き
- 低GI食品を活用したダイエットのコツ
- GI値の具体的な数値
ダイエットや減量を行う際の食事制限に役に立つ、ダイエットの手助けをしてくれると言われているのが「低GI食品」です。
低GI食品という名称を聞いた事がある方も多いですよね。
ですが、低GI食品について詳しく知らない方も意外とが多いようです。
そこで、今回の記事では「低GI食品の魅力」を分かりやすく解説していきます。
低GI食品の基本知識

低GI食品を効果的に活用するためには、まずGI値の基本的な仕組みを正しく理解することが重要です。
ここでは、GI値の定義から具体的な分類基準まで、ダイエットに役立つ基礎知識を分かりやすく解説します。
H3: GI値とは何か?
GI値(Glycemic Index/グリセミック・インデックス)とは、食品を摂取した後の血糖値の上昇度を数値化した指標です。 参照:厚生労働省のグリセミック・インデックス解説
ブドウ糖を摂取した際の血糖値上昇を100として、他の食品がどの程度血糖値を上昇させるかを相対的に表しています。
この指標は1981年にカナダのトロント大学のジェンキンス博士によって提唱され、現在では世界中の医療機関や栄養学の分野で活用されています。
GI値が低い食品ほど血糖値の上昇が緩やかで、ダイエットや糖尿病予防に効果的とされています。
測定方法は、健康な人が空腹時に特定の食品を摂取し、その後2時間にわたって血糖値の変化を測定します。同じ糖質量でも食品によってGI値は大きく異なり、例えば白米のGI値は84ですが、玄米は56と約30ポイントも低くなります。参照:国際GIデータベース
H3: 低GI・中GI・高GIの分類基準
GI値による食品の分類は、国際的に以下の基準で定められています:
低GI食品(GI値55以下) 血糖値の上昇が最も緩やかで、ダイエットに最適な食品群です。代表的な食品には、玄米(56)、そば(59)、りんご(38)、ヨーグルト(25)、ブロッコリー(25)などがあります。これらの食品は食物繊維が豊富で、満腹感も持続しやすい特徴があります。
中GI食品(GI値56~69) 血糖値の上昇が中程度の食品群で、摂取量や食べ合わせに注意すれば問題ありません。パスタ(65)、さつまいも(63)、バナナ(62)、アイスクリーム(61)などが該当します。低GI食品と組み合わせることで、血糖値の急上昇を抑えられます。
高GI食品(GI値70以上) 血糖値を急激に上昇させる食品群で、ダイエット中は摂取量に注意が必要です。白米(84)、食パン(91)、じゃがいも(90)、コーンフレーク(84)などが代表例です。これらの食品は完全に避ける必要はありませんが、食べる量や頻度、食べ合わせを工夫することが重要です。
実用的な活用のコツ 日常の食事では、低GI食品を中心としながら、中GI・高GI食品も適度に取り入れることで、栄養バランスを保ちながら血糖値をコントロールできます。特に運動前後は高GI食品でエネルギーを効率的に補給し、普段の食事では低GI食品を選ぶという使い分けが効果的です。
低GI食品がダイエットに効果的な3つの理由

食事を摂ると、食品に含まれる糖質がブドウ糖として血液中に吸収され、血糖値が上昇します。
この血糖値の急激な上昇に反応して、すい臓からインスリンというホルモンが大量に分泌されます。
インスリンの主な働きは、血中の余分なブドウ糖を脂肪細胞に取り込んで脂肪として蓄積することです。参照:国立心肺血液研究所の血糖値管理ガイド
つまり、血糖値が急上昇するほどインスリンが多く分泌され、結果として体脂肪が増加しやすくなります。
低GI食品は消化吸収が緩やかなため、血糖値の上昇も穏やかになります。
これによりインスリンの分泌量が抑制され、脂肪として蓄積される糖質の量も大幅に減少します。
さらに、血糖値の安定により満腹感が長時間持続し、間食や食べ過ぎの防止にもつながります。
このメカニズムが、低GI食品がダイエットに効果的とされる科学的根拠なのです。
カロリーの高さと血糖値の上昇は関係がない?
勘違いしている方が多いのが「高カロリー=血糖値が上がる」です。
実は高カロリーの食品だからといって血糖値が上がりやすいとは限りません。
お米やパンなど、血糖値が上がりやすいと言われているのが炭水化物です。
しかし、同じ炭水化物を含む食品でも急激に血糖値が上がる食品もあれば、ゆっくりと上昇していく食品もあります。
ダイエット中に炭水化物を全く摂らない極端な食事制限を行う方もいますが、栄養バランスが崩れてしまうリスクがあります。
栄養バランスが悪くなると、タンパク質や脂質など、炭水化物以外の栄養素を過剰に摂取してしまいがちになります。
栄養素やカロリーではなく、それぞれの食品のGI値をしっかりと見極めた食品選択を意識しましょう。
低GI食品の「セカンドミール効果」とは?
低GI食品を中心とした食生活は「セカンドミール効果」を得られる点もメリットの1つです。
最初の食事は、次回の食事後の血糖値にも影響します。
そのような働きを「セカンドミール効果」と呼びます。
夕食の血糖値の上昇を抑えたい場合には、昼食やおやつに注意すればする必要があるいうことです。
昼食やおやつに血糖値の上昇を抑える低GI食品を食べておくことが夕食後の血糖値上昇を抑えることにつながります。
低GI食品ならダイエット中でもおやつを食べられる!
ダイエット中はおやつ(間食)をしてはいけない!と考えている方も多くいます。
しかし、「セカンドミール効果」があることから、おやつ(間食)を食べることが推奨されています。
もちろん、好きな物を食べていいわけはなく、基本的に「低GI食品のおやつ」がメインとなります。
昼食から夕食までの間が長くなる場合は、おやつを食べることで夜間の血糖値上昇を軽減させられます。
近年では、おやつ(間食)用の低GI食品も多く販売されているので、ダイエット中でも気軽におやつが食べられるようになりました。
低GI食品の効果的な取り入れ方

低GI食品の知識を身につけても、いきなり食生活を大幅に変えるのは難しいものです。
無理のない範囲で段階的に取り入れることで、ストレスなく継続でき、確実にダイエット効果を実感できます。
ここでは、初心者でも実践しやすい具体的な方法をご紹介します。
初心者向け:段階的な導入方法
第1段階:主食の置き換えから始める(1~2週間目)
最も効果が実感しやすいのは、毎日摂取する主食の変更です。白米を玄米や雑穀米に、食パンを全粒粉パンやライ麦パンに置き換えることから始めましょう。一度に全て変える必要はなく、1日1食ずつ、慣れてきたら2食、3食と段階的に増やしていきます。
第2段階:間食・おやつの見直し(3~4週間目)
普段のお菓子やスイーツを低GI食品に変更します。クッキーやケーキの代わりに、ナッツ類、ヨーグルト、りんごなどを選びましょう。完全に我慢するのではなく、「置き換える」という意識が継続のコツです。
第3段階:食材選びの幅を広げる(5週間目以降)
野菜や調味料にも低GI食品を意識的に取り入れます。じゃがいもの代わりにさつまいもを、砂糖の代わりにはちみつやメープルシロップを使用するなど、レシピのバリエーションを増やしていきます。
継続のための心構え
完璧を目指さず、「今日は8割できた」という程度で十分です。外食時や特別な日は気にせず楽しみ、翌日から再び低GI食品を意識すれば問題ありません。
関連記事:居酒屋にあるヘルシー・太りにくいおすすめメニューまとめ
食べ合わせで効果アップする方法
食物繊維との組み合わせ
高GI食品を食べる際は、食物繊維が豊富な食材と一緒に摂取することで、GI値を下げる効果があります。白米を食べる時は海藻サラダやきのこ類を、パンを食べる時はアボカドや野菜をたっぷり合わせましょう。水溶性食物繊維は糖の吸収を緩やかにし、血糖値の急上昇を防ぎます。
タンパク質との相乗効果
タンパク質と低GI食品を組み合わせることで、満腹感がより長時間持続します。玄米と魚、そばと卵、ヨーグルトとナッツなど、1食の中でタンパク質と低GI食品をバランスよく摂取しましょう。これにより筋肉量の維持にも効果的です。
酢やレモンの活用
酢やレモン汁には血糖値の上昇を抑える効果があります。サラダにレモンドレッシングをかけたり、酢の物を食事に取り入れたりすることで、他の食材のGI値も相対的に下げることができます。
油脂類の適量使用
オリーブオイルやアボカドなどの良質な脂質は、糖の吸収速度を緩やかにします。ただし高カロリーのため、1食あたり大さじ1杯程度を目安に適量を心がけましょう。
食事の順番で血糖値をコントロール
基本の食べ順:野菜→タンパク質→炭水化物
初に野菜や海藻類を食べることで、食物繊維が胃に膜を作り、後から摂取する糖質の吸収を緩やかにします。次にタンパク質(肉、魚、卵、豆腐など)を摂取し、最後に炭水化物を食べることで、血糖値の急上昇を効果的に防げます。
野菜ファーストの実践方法
食事の最初の5~10分間は野菜のみを食べ、ある程度満腹感を感じてから他の食材に移ります。キャベツの千切り、わかめサラダ、ブロッコリーなど、噛み応えのある野菜を選ぶとより効果的です。外食時もサラダや野菜スープから注文することを習慣にしましょう。
咀嚼回数を意識する
1口30回以上噛むことで、満腹中枢が刺激され食べ過ぎを防げます。また、ゆっくり食べることで血糖値の上昇も緩やかになります。特に炭水化物を食べる際は、意識的に咀嚼回数を増やしましょう。
食事時間の確保
1食あたり最低20分はかけて食べることが理想です。早食いは血糖値を急上昇させる原因となるため、スマートフォンを見ながらの食事は避け、食べることに集中する時間を作りましょう。
水分摂取のタイミング
食前にコップ1杯の水を飲むことで、胃が膨らみ食べ過ぎを防げます。ただし、食事中の大量の水分摂取は消化を妨げるため、適量を心がけましょう。食後は温かい無糖のお茶がおすすめです。
低GI食品ダイエットの注意点とコツ

低GI食品を活用したダイエットは効果的な方法ですが、間違った取り組み方をすると思うような結果が得られない場合があります。
成功率を高めるためには、よくある落とし穴を事前に知り、長期間継続できる方法を身につけることが重要です。
ここでは実際の失敗例をもとに、効果的な対策をご紹介します。
よくある失敗パターンと対策
失敗パターン1: 低GI食品なら何でも食べ放題と勘違い 低GI食品でもカロリーは存在するため、食べ過ぎれば当然体重は増加します。特にナッツ類やアボカドなどの低GI食品は高カロリーなので要注意です。
対策: 低GI食品でも適量を守り、1日の総カロリーを意識しましょう。ナッツ類は1日25g程度、アボカドは1/2個程度が目安です。食事記録アプリを活用して、カロリーと栄養バランスを可視化することも効果的です。
失敗パターン2: 完璧主義で挫折してしまう 「絶対に高GI食品は食べない」と決めて、一度でも食べてしまうと「もうダメだ」と諦めてしまうケースが多くあります。
対策: 80点主義を心がけましょう。1週間のうち5日間低GI食品を意識できれば十分です。外食や特別な日は気にせず楽しみ、翌日から再スタートする柔軟性が継続の秘訣です。
失敗パターン3: 栄養バランスを無視した偏った食事 低GI食品ばかりに注目して、タンパク質やビタミン、ミネラルが不足し、体調不良や筋肉量の減少を招くことがあります。
対策: 主食・主菜・副菜のバランスを意識した食事を心がけます。低GI食品の玄米+魚や鶏肉+野菜サラダのように、1食で複数の栄養素を摂取できるメニューを組み立てましょう。
失敗パターン4: 即効性を期待しすぎる 低GI食品ダイエットは血糖値を安定させる健康的な方法ですが、短期間での劇的な体重減少は期待できません。1~2週間で効果が見えないと諦めてしまう人が多いのが現実です。
対策: 最低3ヶ月は継続することを前提に取り組みましょう。体重だけでなく、「疲れにくくなった」「間食が減った」「肌の調子が良い」など、体調の変化にも注目することでモチベーションを維持できます。
失敗パターン5: 食材費が高くて続かない 玄米や全粒粉パンなど、低GI食品は一般的な食材より価格が高い傾向があり、経済的な負担から継続が困難になることがあります。
対策: 高価な食材ばかりに頼らず、もやし、キャベツ、卵、鶏胸肉など、比較的安価な低GI食品を活用しましょう。冷凍野菜や乾物も栄養価が高く経済的です。まとめ買いや業務用スーパーの利用も効果的です。
ストレスを溜めない継続方法
柔軟なルール設定で心理的負担を軽減
「平日は低GI食品中心、週末は好きな物を食べる日」というように、メリハリのあるルールを設定しましょう。完全に制限するのではなく、「選択肢を増やす」という前向きな考え方が重要です。罪悪感を感じることなく、長期的な視点で取り組むことができます。
代替食品でストレス解消
好きな食べ物を完全に諦めるのではなく、低GI版に置き換える工夫をしましょう。白米が好きなら玄米や雑穀米、パンが好きなら全粒粉パンやふすまパンなど、味や食感が似ている代替品を見つけることで満足感を得られます。
段階的な変化で無理のない習慣化
一度に全ての食事を変えようとせず、「今月は朝食だけ」「来月は昼食も」というように段階的に変化させましょう。人間の脳は急激な変化を嫌うため、小さな変化の積み重ねが習慣化には最も効果的です。
食事以外の楽しみを充実させる
食べることがストレス発散の唯一の方法になっていると、食事制限が大きなストレスになります。読書、音楽、運動、友人との会話など、食事以外の楽しみや達成感を得られる活動を増やすことで、食べ物への依存度を下げることができます。
サポート体制の構築
家族や友人に低GI食品ダイエットに取り組むことを伝え、理解と協力を得ましょう。一緒に取り組む仲間がいれば、モチベーションの維持が格段に楽になります。SNSやオンラインコミュニティを活用して、同じ目標を持つ人とつながることも効果的です。
記録による可視化とポジティブフィードバック
体重だけでなく、食事内容、体調、気分の変化を記録しましょう。「今日は低GI食品を3食摂取できた」「間食を我慢できた」など、小さな成功も記録することで達成感を味わえます。月に一度、記録を振り返って自分の成長を実感することが継続の原動力になります。
完璧を求めず、プロセスを楽しむ
結果だけでなく、新しい食材を試すことや、レシピを工夫することを楽しみましょう。「今日は新しい低GI食品を発見した」「美味しい玄米の炊き方を覚えた」など、学びや発見を喜ぶことで、ダイエットが苦行ではなく楽しい挑戦に変わります。
まとめ
低GI食品は、太る原因となる血糖値の上昇を抑えられるダイエット向きの食品です。
おやつに低GI食品を食べておく事で、後の食事で血糖値の上昇を防ぐセカンドミール効果も得られます。
低GI食品を活用したダイエットを行う際は、急激に食材を低GI食品に変更したり、血糖値が上昇する食品を抜くことは絶対にNGです。
できる範囲から低GI食品に変更したり、ストレスが溜まらない食生活を意識してみてください。
低GI食品 ダイエットに関するよくある質問
- Q低GI食品だけ食べていれば必ず痩せますか?
- A
低GI食品でも食べ過ぎればカロリーオーバーで体重は増加します。低GI食品の利点は血糖値の急上昇を抑えることで脂肪蓄積を防ぎ、満腹感を持続させることです。ダイエット成功には、低GI食品の選択と併せて適切なカロリー管理と栄養バランスが重要です。
また、低GI食品には高カロリーなものも多く存在します。例えばナッツ類(1日25g程度)やアボカド(1/2個程度)は適量を守り、全体の食事バランスを考慮して摂取しましょう。運動習慣と組み合わせることで、より効果的な体重管理が可能になります。
- Q外食時にはどのようなメニューを選べばよいですか?
- A
外食でも低GI食品を意識したメニュー選びは可能です。和食なら玄米や雑穀米が選べる定食、そば、刺身や焼き魚。洋食なら全粒粉パンを使ったサンドイッチ、パスタ(特に全粒粉パスタ)、サラダをメインにした料理がおすすめです。
中華料理では野菜炒めや蒸し料理を選び、白米の量を控えめにしましょう。どうしても高GI食品を食べる場合は、最初にサラダや野菜スープを注文し、食べる順番(野菜→タンパク質→炭水化物)を意識することで血糖値の急上昇を抑えられます。
- Q低GI食品は子供や高齢者にも安全ですか?
- A
低GI食品は基本的に子供や高齢者にも安全で有益です。特に成長期の子供には血糖値の安定により集中力の向上や情緒の安定が期待でき、高齢者には糖尿病予防や血管系疾患のリスク軽減効果があります。
ただし、成長期の子供には十分なカロリーと栄養素が必要なため、低GI食品だけに偏らずバランスの良い食事を心がけてください。高齢者の場合は咀嚼機能に配慮し、硬い食材は調理方法を工夫しましょう。既往症がある方や薬を服用中の方は、食事変更前に医師に相談することをおすすめします。
- Q低GI食品は普通の食材より高価ですが、節約しながら続ける方法はありますか?
- A
経済的に無理なく続けるコツがあります。玄米や雑穀は白米より高価ですが、満腹感が持続するため間食費用が削減でき、結果的に食費を抑えられることが多いです。もやし、キャベツ、卵、鶏胸肉、豆腐など、比較的安価な低GI食品を活用しましょう。
冷凍野菜や乾物(ひじき、わかめ、切り干し大根)も栄養価が高く経済的です。業務用スーパーでまとめ買いしたり、旬の野菜を選んだりすることで食材費を抑えられます。高価な特別な食材ではなく、身近で手に入りやすい食材を中心に、工夫次第で十分効果的な低GI食生活が実現できます。
コメント