- 体脂肪を減らす食事の基本は、食べる量を少しだけ調整し「主食・主菜・副菜」をそろえることです
- 体脂肪1kgを減らすのに必要なエネルギーは約7,000kcalが目安で、1日あたりの調整量に直して考えると無理がありません
- たんぱく質・脂質・炭水化物は、エネルギーに占める割合の目安を知ると選び方に迷いにくくなります
- 野菜から食べる・ゆっくり噛む・食物繊維を増やすなど「食べ方」の工夫でも食べ過ぎを防げます
- 甘い飲み物やお酒、夜遅い食事、外食・コンビニでの選び方まで、続けやすいコツを紹介します
健康診断で体脂肪や腹囲を指摘されたり、服がきつくなったりして「食事で体脂肪を減らしたい」と考える方は多いのではないでしょうか。とはいえ、食事を極端に減らす方法は続きにくく、リバウンドの原因にもなります。この記事では、厚生労働省の資料をもとに、体脂肪を減らす食事の目安から、食べる順番や飲み物、外食での選び方まで、今日から無理なく実践できるコツをわかりやすく解説します。
この記事は「何を食べるか」よりも「どう食べるか」に重きを置いて書いています。まず仕組みと目安を知り、そのあと1食の組み立て方、食べる順番、飲み物、外食のコツへと進みます。全部を一度にやる必要はないので、できそうな項目から読んでみてください。

体脂肪が減る仕組みは「エネルギー収支」|1kgで約7,000kcalが目安

体脂肪を減らす食事の土台は、食事でとるエネルギーを、体が使うエネルギーより少しだけ少なくすることです。特別な食品を食べるより先に、この仕組みを理解しておくと、極端な方法に振り回されにくくなります。
厚生労働省のe-ヘルスネットでは、体脂肪1kgを減らすために必要なエネルギー量は約7,000kcalとされています。あわせて、身体活動による消費と食事でとるエネルギーを調整し、計画的に減らすことが大切だと示されています。
この7,000kcalを、減らしたい期間で割ると1日あたりの調整量が見えてきます。期間を長めにとるほど1日の調整量は小さくなり、無理なく続けやすくなります。
| 体脂肪1kgを減らす期間 | 1日あたりの調整量の目安 | 食事と運動での分け方の例 |
|---|---|---|
| 1か月(30日) | 約233kcal | 食事で約150kcal+活動で約80kcal |
| 2か月(60日) | 約117kcal | 食事で約80kcal+活動で約40kcal |
| 3か月(90日) | 約78kcal | 食事で約50kcal+活動で約30kcal |
出典:厚生労働省 e-ヘルスネット|「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」情報シート:身体活動とエネルギー・栄養素の「体脂肪1kg=約7,000kcal」をもとに筆者が加工・作成
なお、この表は体脂肪の計算上の目安です。体重には水分や食べ物の重さも含まれるため、体重計の数字は毎日上下します。数字の見方は体重と体脂肪はどちらが先に減るのかを解説した記事も参考にしてください。
食事を極端に減らすと、筋肉まで落ちやすく、空腹の反動で食べ過ぎにつながることがあります。短期間で大きく減らそうとせず、上の表のように小さな調整を積み重ねる方法がおすすめです。
1食の組み立て方|主食・主菜・副菜とPFCバランスの目安

体脂肪を減らす1食は、主食・主菜・副菜をそろえ、それぞれの量を整えるのが基本です。何かを丸ごと抜くより、全体のバランスを保ったほうが栄養不足になりにくく、長く続けられます。
栄養の目安として役立つのが、たんぱく質(P)・脂質(F)・炭水化物(C)がエネルギー全体に占める割合です。厚生労働省の「日本人の食事摂取基準」では、生活習慣病予防のための目標量として、次の割合が示されています。
| 栄養素 | 1gあたりのエネルギー | エネルギーに占める割合の目安(18〜49歳) | 計算例:1日2,000kcalの場合 |
|---|---|---|---|
| たんぱく質(P) | 約4kcal | 13〜20% | 約65〜100g |
| 脂質(F) | 約9kcal | 20〜30%(うち飽和脂肪酸は7%以下) | 約44〜67g |
| 炭水化物(C) | 約4kcal | 50〜65% | 約250〜325g |
出典:厚生労働省 e-ヘルスネット|エネルギー産生栄養素をもとに筆者が加工・作成(計算例は筆者による試算)
計算例の2,000kcalは、割合をグラムに直すための例です。1日に必要なエネルギー量は年齢・性別・活動量で変わるため、ご自身の目安は健康診断の結果や医療機関・管理栄養士のアドバイスで確認してください。65歳以上では、フレイル予防の観点からたんぱく質の下限が15%に引き上げられています。
主菜:たんぱく質源を毎食1品そろえる
たんぱく質は筋肉の材料になり、減量中に筋肉が落ちるのを防ぐ助けになります。肉・魚・卵・大豆製品のどれかを、毎食1品とり入れるのが実践しやすい方法です。
ただし、たくさん食べるほど筋肉が増えるわけではありません。e-ヘルスネットでも、身体活動量に応じてたんぱく質をとることが大切だとされています。「減らす」より先に「毎食そろえる」を目標にすると、自然と間食や主食の食べ過ぎも落ち着きやすくなります。
主食:抜かずに「量」と「種類」で調整する
ご飯やパンを完全に抜くと、空腹感が強くなり、反動で食べ過ぎることがあります。いつもより少し量を減らす、玄米や雑穀ご飯、全粒粉パンなど食物繊維の多い主食に置き換える、といった調整がおすすめです。
副菜:野菜・きのこ・海藻で「かさ」を増やす
副菜は、エネルギーを抑えながら食事の満足感を高める役割を持ちます。健康日本21(第三次)では野菜の摂取目標が1日350gとされていますが、e-ヘルスネットで紹介されている国民健康・栄養調査の結果では、日本人の野菜摂取量の平均は256gと目標に届いていません。毎食1〜2品の野菜料理を足すことが、体脂肪を減らす食事の近道です。
腎臓の病気がある方は、たんぱく質を控えるよう指導されることがあります。高血圧や糖尿病がある方、高齢の方も腎機能が低下している可能性があるため、食事内容を大きく変える前にかかりつけ医に相談してください。
PFCバランスの考え方や、食事全体の基本をもう少し詳しく知りたい方は、体脂肪を落とす食事の基本をまとめた記事もあわせてご覧ください。
食べる順番とスピード|野菜から食べて、ゆっくり噛む

同じメニューでも、食べる順番と速さを変えるだけで食べ過ぎを防ぎやすくなります。お金も手間もかからないため、今日の食事からすぐに試せる方法です。
e-ヘルスネットによると、速食いの習慣がある人には肥満者が多いことが疫学調査でわかってきています。「速食い」と「お腹いっぱい食べる」の両方の習慣がある人は、さらにBMIが高い傾向も報告されています。ゆっくりよく噛むことは、肥満対策の方法のひとつとして位置づけられています。
- 最初に野菜・きのこ・海藻などの副菜や汁物から食べ始める
- 次に肉・魚・卵・大豆製品などの主菜を食べる
- ご飯やパンなどの主食は、副菜や主菜と一緒に後半に食べる
- 一口ごとに箸を置き、よく噛んでから次の一口に進む
- 「お腹いっぱい」の手前、腹八分目で食事を終える
噛む回数を増やすには、ごぼうやれんこんなどの歯ごたえのある食材を使う、食材を大きめに切る、といった工夫も役立ちます。スマートフォンやテレビを見ながらの「ながら食べ」は、食べた量に気づきにくくなるため、食事に集中する時間をつくりましょう。
食物繊維を増やす食べ方|目標量と取り入れやすい食品

食物繊維は、食事のかさを増やして満足感を高めてくれる、体脂肪を減らす食事の心強い味方です。便通を整えるだけでなく、2型糖尿病や心筋梗塞などの発症リスクの低下との関連も報告されています。
e-ヘルスネットによると、「日本人の食事摂取基準(2025年版)」では成人男性で1日20g以上、女性で1日18g以上の食物繊維の目標量が設定されています。一方、最新の国民健康・栄養調査では成人の平均摂取量は1日18.1gで、目標量に届いていない人が多いため、意識して増やす価値があります。
| 食品グループ | 食品の例 | 取り入れ方のコツ |
|---|---|---|
| 主食 | 玄米、雑穀ご飯、麦ご飯、全粒粉パン、オートミール | 白米に雑穀や押し麦を混ぜて炊く |
| 野菜・いも | ごぼう、ブロッコリー、キャベツ、さつまいも | 汁物や作り置きで毎食1品足す |
| きのこ・海藻 | しめじ、えのき、わかめ、ひじき、もずく | みそ汁やサラダに加えてかさを増やす |
| 豆類 | 納豆、大豆の水煮、おから、ひよこ豆 | 主菜のたんぱく質源としても使える |
食物繊維を急に増やすと、お腹が張ることがあります。1日1品ずつ増やし、水分もしっかりとるようにしましょう。
飲み物とお酒の選び方|見落としがちなエネルギーに注意

体脂肪を減らしたいときは、食べ物と同じくらい飲み物の選び方が大切です。甘い清涼飲料水や加糖のコーヒー、果汁飲料は、満腹感が得られにくいわりにエネルギーをとりやすいため、普段の飲み物は水やお茶、無糖のコーヒーにするのがおすすめです。
お酒にもエネルギーがあり、アルコールは1gあたり約7kcalとされています。さらに、おつまみの揚げ物や締めの麺類で食べる量が増えやすい点にも注意が必要です。厚生労働省は、生活習慣病のリスクを高める飲酒量を、1日あたりの純アルコール量で男性40g以上、女性20g以上としています。
純アルコール量は「お酒の量(ml)×アルコール度数(%)÷100×0.8」で計算できます。よく飲まれるお酒に当てはめると、次のとおりです。
| お酒の種類(量・度数) | 純アルコール量の目安 | アルコール分のエネルギー | 体脂肪に換算すると |
|---|---|---|---|
| ビール 中瓶・ロング缶1本(500ml・5%) | 約20g | 約140kcal | 約20g分 |
| チューハイ 1缶(350ml・7%) | 約20g | 約137kcal | 約20g分 |
| 日本酒 1合(180ml・15%) | 約22g | 約151kcal | 約22g分 |
| ワイン グラス1杯(120ml・12%) | 約12g | 約81kcal | 約12g分 |
出典:厚生労働省|健康に配慮した飲酒に関するガイドラインの計算式、厚生労働省 e-ヘルスネット|エネルギー産生栄養素の「アルコール1g=約7kcal」、厚生労働省 e-ヘルスネット|身体活動とエネルギー・栄養素の「体脂肪1kg=約7,000kcal」をもとに筆者が加工・作成(エネルギーはアルコール分のみで、糖質などは含みません)
アルコールは1gあたり約7kcal、体脂肪は1kgあたり約7,000kcalです。つまり純アルコール1gは、体脂肪およそ1g分のエネルギーに相当します。お酒の純アルコール量(g)を見れば、そのまま「体脂肪何g分か」の目安になると覚えておくと便利です。ビール1本のアルコール分だけで約140kcalとなり、2か月で体脂肪1kgを減らす場合の1日の調整量(約117kcal)を上回ります。
この量は「ここまでなら安全」という意味ではなく、体質によって影響は大きく変わります。体脂肪を減らしたい期間は、飲まない日をつくり、飲む日は量を決めてから飲み始めるのが現実的な方法です。
食べる時間帯と間食|夜遅い食事と「ついで食べ」を減らす

体脂肪を減らすには、1日3食をなるべく決まった時間にとり、夜遅い時間のまとめ食いを避けることが大切です。食事を抜くと次の食事で空腹が強くなり、早食いやドカ食いにつながりやすくなります。
仕事などで夕食が遅くなる日は、夕方におにぎりやヨーグルトなどの軽食をとっておき、帰宅後の夕食は主菜と副菜を中心に軽めにする「分食」がおすすめです。夕食から寝るまでの時間に余裕を持たせることで、夜食も減らしやすくなります。
| タイミング | 食べ方の例 |
|---|---|
| 朝食 | 雑穀ご飯+納豆+具だくさんのみそ汁のように、短時間でそろう組み合わせにする |
| 昼食 | 定食や「おにぎり+主菜+サラダ」で、主食・主菜・副菜をそろえる |
| 夕方(夕食が遅い日) | おにぎりやヨーグルトなどの軽食で、空腹のまま夜を迎えないようにする |
| 夕食 | 主菜と野菜料理を中心にし、夕方に軽食をとった日は主食を控えめにする |
間食は「やめる」より「決める」ほうが続きます。食べる時間と量をあらかじめ決め、小袋のものを選ぶ、お皿に出して食べるなど、食べ過ぎない仕組みをつくりましょう。家にいる時間が長い方は、在宅勤務中の無意識の間食を防ぐコツも役立ちます。
外食・コンビニ・調理法の工夫|リバウンドしない続け方

体脂肪を減らす食事は、外食やコンビニを上手に使えれば、忙しい人でも十分に続けられます。大切なのは「完璧な食事」を目指すことではなく、選び方の型を持っておくことです。
| 場面 | 選び方のコツ |
|---|---|
| 外食 | 丼物や麺類の単品より、主食・主菜・副菜がそろう定食を選ぶ。ご飯の量は注文時に調整する |
| コンビニ | おにぎり+サラダチキンやゆで卵+野菜スープのように、主食・主菜・副菜を組み合わせて買う |
| 自炊の調理法 | 揚げるより、蒸す・煮る・焼く・ゆでる調理を増やし、油の量を抑える |
| 肉・魚の選び方 | 鶏むね肉・ささみ・ヒレ肉・赤身など脂の少ない部位や、魚・大豆製品を中心にする |
| 食品表示の確認 | パッケージの栄養成分表示で、エネルギーとたんぱく質の量を見比べる習慣をつける |
リバウンドを防ぐには、体脂肪が減ったあとも同じ食べ方を続けられるかどうかが鍵になります。「1か月だけ我慢する」方法ではなく、一生続けても苦しくない食べ方を少しずつ増やしていきましょう。
SNSなどでは「〇〇だけ食べれば痩せる」といった単品ダイエットや、極端な糖質抜きの情報も見かけます。偏った方法は栄養不足や体調不良、リバウンドの原因になりやすいため注意しましょう。持病がある方や治療中の方、妊娠中・授乳中の方は、食事を変える前に医師や管理栄養士に相談してください。
体脂肪を減らす食べ方セルフチェック|当てはまる項目から見直す

体脂肪を減らす食事は、すべてを一度に変えるより、自分に当てはまる習慣から順に見直すほうが続きます。ここまで紹介した内容を10項目のチェックリストにまとめたので、当てはまるものに印をつけてみてください。
| チェック | 当てはまる食習慣 | 最初の見直し方 |
|---|---|---|
| ☐ | 人より食べ終わるのが早い、または食べるのが速いと言われる | 一口ごとに箸を置き、副菜から食べ始める |
| ☐ | いつも「お腹いっぱい」になるまで食べる | 腹八分目で終え、おかわりの前に一呼吸おく |
| ☐ | 野菜料理が1日1〜2品以下になりがち | 汁物や作り置きで毎食1品足す |
| ☐ | 体脂肪を減らすために主食を抜くことがある | 抜かずに量を少し減らすか、雑穀や全粒粉に置き換える |
| ☐ | 普段の飲み物に甘い清涼飲料水や加糖のコーヒーが多い | 水・お茶・無糖のコーヒーを基本にする |
| ☐ | 飲酒する日の純アルコール量を把握していない | 純アルコール量の計算式で、1杯あたりの量を確かめる |
| ☐ | 夕食が遅い時間にずれ込み、量も多くなりやすい | 夕方に軽食をとり、夕食は主菜と野菜中心にする |
| ☐ | スマートフォンやテレビを見ながら食べることが多い | 食事の時間は画面から離れ、食べる量を意識する |
| ☐ | 外食やコンビニでは丼物や麺類の単品を選びがち | 定食や「主食+主菜+副菜」の組み合わせで選ぶ |
| ☐ | 間食の時間や量を決めていない | 時間と量を決め、小袋のものをお皿に出して食べる |
当てはまる項目が多くても、心配する必要はありません。見直す余地が多いということは、それだけ食べ方の工夫で変えられる部分が多いということです。まずは当てはまった項目の中から、いちばん取り組みやすいものを1つだけ選び、1〜2週間続けてから次の項目に進みましょう。
【筆者体験談】体脂肪を減らす食事を無理なく続けた1か月の記録
いろいろなダイエットを試してきましたが、やはり大切なのは食生活の改善だと感じています。始めた頃は完璧な食事を目指していましたが、だんだんしんどくなり、最終的に「自分のペースで、無理のない範囲で続ける」に落ち着きました。
「1か月で1kg減」を目標に1日に必要なカロリーを大まかに計算したところ、もともと食べ過ぎていたことに驚きました。最初は空腹感がつらかったものの、ゲームや散歩で気をまぎらわせるうちに慣れていきました。
食事はストイックにせず、自炊の日は野菜を多めに入れました。外食やコンビニの日は、たんぱく質・脂質・炭水化物のバランスを優先しました。いちばん変えたのは主食の量です。抜かずに毎食2口ほど減らしただけですが、1日3食で6口、1週間で42口、1か月では約180口分にもなります。野菜から食べてよく噛むようにしたら、量が減っても満足感はむしろ増えました。
苦労したのは飲み物と間食です。コーヒーやジュースを水やお茶に変えるのはつらかったですが、効果を感じました。在宅ワーク中のついで食いは、おやつを買わないことで解決しました。夕方にタイマーをかけ、19時までに最後の食事を終えるようにもしました。
続けられたのは「5日頑張ったら1日は好きなものを食べてOK」というルールのおかげです。結果、1か月で1.2kg減りました。運動も並行していたので食事だけの成果ではありませんが、無理なく減らせたのは食生活を見直したからだと感じています。
まとめ
体脂肪を減らす食事は、特別な食品に頼るよりも、少しだけ量を整え、主食・主菜・副菜をそろえ、ゆっくり食べることの積み重ねです。飲み物や時間帯、外食の選び方まで含めて「続けられる型」をつくることが、リバウンドしない一番の近道になります。
いきなり全部を変えようとすると、どこかで息切れしてしまいます。まずは「野菜から食べる」「飲み物を無糖にする」など、今日の1食で試せることを一つだけ選んでみてください。小さな変化を続けることが、体脂肪を減らすいちばんの力になります。
よくある質問(FAQ)
参考文献・出典一覧
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